2:【お客さんに買ってもらおう!】これに気が付けたら、もう大丈夫

例えば、関連する話でこんなことがありました。

カナダ、バンクーバーのダウンタウン先日、近所(カナダ、バンクーバーのダウンタウン(地図参照(^^♪)にあるお寿司屋さんの前をジョギングしていたときのことです。

そこのお寿司屋さん、いつもガラガラで店の前もゴミだらけ。窓ガラスにも鳥の糞が何ヶ月もこびりついたままになっているような店でした。

ジョギングしながら店の前を通るたびに、中ではボーっとテレビを眺めるウエイトレスと板前さんらしき人の姿...大丈夫なのかな...と心配になるお寿司屋さんでした。

そんなある日、いつものように走っていると、ちょうど板前さんらしき人が出勤するところにでくわしました。店の前はいつも通りゴミが散見されます。今日は特に汚れています!扉のすぐ横には、誰かが食べ散らかしていったマクドナルドの食べかすがドンとありました。

どうするのかな...と見ていると、なんとその板前さん、足でごみを蹴飛ばして道路の方に吹っ飛ばしたのです!自分の店の前にあるゴミを、他の場所に吹っ飛ばす...

私がここで何を言おうとしているか分かりますか?分からない人のためにもう少し説明します。まず最初に、その行為を見ていた人はそのお寿司屋さんで食べたいと思うでしょうか?私はもう絶対に行きたくありません。もしあなたがそのシーンを直接見たとしたら、やはり何ともいえない嫌な気持ちになったと思います。

その「なんとなく嫌な気持ち」というのが重要です。

人間は他人の行動の一部分だけを見て全体を判断する傾向があると言われています。いわゆる「ハロー効果」と呼ばれるものです。例えば、「良い学校を出ているから、あの人は人格もできた人だ」とか「有名人だから、信頼できる人だ」、「著名人がお勧めしているのだから、本当だろう」といった錯覚がハロー効果です。

ハロー効果はポジティブな方向にも働くと同時に、ネガティブな方向にも働きます。

例えば、「自分の店のゴミも片付けることができないレストランで出される食べ物って...なんか不衛生なんじゃないか」とか「窓ガラスに半年も鳥の糞がついたままのレストランの厨房って、めちゃくちゃ汚いんじゃないか!?」そんな錯覚を私たちは無意識のうちにしてしまうのです。

多分、店内に入ってきたお客さんに対しては、きちんとしたサービスをされているのだと思います。ですが、入ってからでしか経験できないサービスなど意味がないのです。店内のお客さんに対する「思いやり」は私のような店の前を行き来する人には届きません。

もし、このレストランのオーナーが「入るか入らないか迷っている人に対する思いやり」まで持ちあわせていたらどうでしょう。

  • 少ないお給料の中から、やっとの思いで貯めたお金で来ようとしているお客さんとか...
  • ずっと闘病生活で頑張って来て、退院祝いで「お寿司でも食べに行こうか」というご夫婦...
  • 長い海外生活で日本食が無性に恋しくなってしまった人...
  • 会社で取り組んできたプロジェクトがやっと終わり、日本食でお祝いしよう!とウキウキ気分で繰り出してきた人達...

みんな色々なストーリーを持って生きています。色々な理由でお店や商品を探しています。そんな当たり前のことを理解し、想像する力があれば何はさておいても店構えをちゃんとするでしょう。「他店ではなく当店を選んでくれて本当にありがとうございます!」そんな気持ちにならざるを得ないでしょう。

自分の店の前は勿論、もしかしたら隣の店の前まで一緒に掃除してしまうかもしれません。掃除することに損得を考えるのではなく、うちを選んでくれたお客さんに最高の経験を楽しんで頂きたい!そんな気持ちから、できることがたくさん浮かぶのです。

そして、窓についた鳥の糞がお客さんのお祝いの雰囲気をぶち壊すことが想像できればふき取る筈です。もし普段からバラエティー番組をテレビで流しているなら、日本の雰囲気を出す音楽をかけたほうがお客さんに楽しんでいただけるのでは!?と考えるかもしれませんよね。

とにかく想像力を働かせて、自分の店に来るお客さんに喜んでいただくにはどうしたらいいのだろうか。彼らは何を期待してうちの店に来てくれるのだろうか...どんなストーリーがあるのだろうか...とお客さんの身になって考え行動するのです。

こう書いてみれば、それほど難しい話ではありませんよね?!逆に、こんな当たり前のことができていないショップが少なすぎるのです。そして「売れない...」と言って「当店は業界一の安さを目指します」などと自分で自分の首を絞めることを始めてしまいます。

で、そのお寿司屋さんはどうなったかというと、つい1週間ほど前に潰れてしまいました。本当の理由が何だったのかは分かりません。分かりませんが、毎日店の前を通っていて一度も「今度来たいな...」と思わせて貰えなかったことと決して無関係ではないでしょう...

実店舗の例でお話して来ましたが、ネットショップも同じです。扱う商品によっては「大好きな人にプレゼントしたい!」そんな気持ちで利用してくれる人もいるでしょう。だとしたら、プレゼントに関するご説明ページを詳しく用意してあげたいと思えるかもしれません。

お小遣いを貯めて、初めてのネット通販にドキドキしながら挑戦中の中高校生だっているかも知れないな...そう思ったら「彼らがもっと安心して買い物ができるような演出」や「保護者の方にも安心していただける雰囲気作り」を考えるでしょう。

海外旅行グッズを扱っている店であれば、「初めての海外旅行...色々心配だな...空港についたらまず何をすれば良いんだろう。お金はどうやって持っていったら良いのかな...万が一困った時はどうしたらいいんだろう?」といった不安でいっぱいのお客さんが商品を選んでいる姿を想像できるはずです。

そう思ったら、「空港についてからの時間の過ごし方」についてとか「お金の持って行き方」、「困ったときの連絡先」など、お客さんの不安を解消するコンテンツをショップ内に用意することもできますよね。

CDやバンド系のTシャツを販売しているショップであれば、「今度生まれて初めて洋楽のコンサートに行くんだけど...なんか不安だな。みんなどんな格好で行くんだろうか」とか「初めて東京のコンサートに行くんだけど、会場とか、電車での行き方とか、すごい不安だな...」といった気持ちでCDやTシャツを見ているお客さんのことが想像できるかもしれません。

そうしたら、「はじめての洋楽コンサートを最高に楽しむ方法」といったコンテンツや、都心のコンサート会場についての行き方や、迷いやすいポイント、etc.といった情報をアップしてあげられるはずです。

それから、会社や学校でいじめられて、落ち込んでいる時に偶然あなたのショップを発見する人もいるかも知れません。

「おお!大好きな●●が売ってる...すごい!」と喜ぶその人に、「当店はクレジットカードは使えません」、「返品は受け付けません」、「ホームページに明記されている情報に関してのお問い合わせは、お返事しかねます」といった強い言葉で水をかける代わりに、できるだけ楽しい雰囲気を演出してあげよう!と思える気持ち...それが「思いやり」です。

「いちいちそんなこと考えていたら、時間がどんなにあっても足りないよ!」

そう異論を唱える人もいるでしょう。でも、そういう人に限って売れなくて困っているはずです。似たようなネットショップが簡単に始められてしまう現在、商品力やテクニック、知識はあって当然です。繰り返しますがそれはスタート地点に過ぎないのです。本当に他店との差を作るのは、この「思いやり」なのです。

お客さんに対する「思いやり」だけがショップをさらに高いレベルへと持って行き、そしてお客さんの好意を勝ち取ることができるのです。

最初は何から手をつけていいか分からないかもしれません。でしたら、まずは以下のことから始めることをお勧めします。

  1. お客さんに人間的な態度で接する
  2. お客さんに誠実な興味をもつ
  3. 面倒くさいこと、小さなことこそ大事にする

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