16:発注期限が来たら、発注かキャンセルかを判断する

よほどの努力家でなければ、自分にプレッシャーをかけることなく結果を出すことは難しいです。逆に、100のうち10しか力を出していない人でも(私たちの殆どがそうなのですが)、自分にプレッシャーをかけることで、突然人並みはずれたパワーを発揮するようになったりします。

100どころか、120、150と、信じられないような力が湧き出てくるのです。常に頭を動かすようになります。つまり、発注周期を決めることで、常に売上げ向上のための努力をするようになるのです。

発注周期を決めないで、受身のショップ運営をしているとどうなるでしょう?私自身もそうでしたが、今まで相談にのってきたショップオーナーの多くが、売ることに集中せず、売上げに直結しない作業(バナー作りやショップの細かい改造など)に精を出してしまうのです。

どこかで自分を追い込む状況を作り出さなければ、スピーディーな成功は難しいです。1年かけてカッコいいホームページを完成させても、半年かけてキレイな商品画像の撮影方法を勉強しても、商品を売る作業とは別次元のことだと認識しなければなりません。

期限を無理やり決めることで初めて具体的な質問が出てきます。

どうやったら7日以内に5万円分売ることができるだろうか...
どうしたら5日以内にTシャツをあと10枚、売ることができるだろうか...

期限がない状態では、「もっと売るにはどうしたらいいだろうか...」とか、「もっとお客さんを集めるにはどうしたらいいだろう...」といった曖昧な質問しか沸いてきません。曖昧な質問には曖昧な答えしか見つからないようになっているので、これだと成功に時間がかかってしまうんです!

もしですよ、【せっかく来た注文だけれども、目標としていた注文数が揃わなかった】という理由で注文をキャンセルすれば、赤字にはなりませんよね。逆に、「せっかく注文してくれたお客さんがいるのだから」と、数が揃わなくても無理やり発注すればどうなるでしょう?利益は薄くなるし、場合によっては赤字もありえます。

まあ赤字で入荷しても、2回目以降の注文で利益を出せば問題ないのですが(これについては180ページを参照)、とりあえず最初の段階では、あえて、「期間中に十分な注文が集らない場合はキャンセルをする!」と決めて受注に取り組むことを強くお勧めします!

「せっかく注文してくれたお客さんの注文だ...必ず期間中に目標の注文数を集めて業者に発注するぞ!」その心構えがあれば、必ず期間内に注文数を増やすアイデアは浮かんでくるでしょう。

必要であれば本屋さんに行ってビジネス書を読むかもしれませんし、ネットで集客や販売について調べるかもしれません。この作業を通して、曖昧に注文を待っている時と比較して、何倍もの速さで実践し、学び、そして実際に期限内に売れるようになっていくでしょう。

逆に言えば、これができなければ独立を目指すべきではないと私は思います。なぜなら、独立したら、明日の生活費、家賃、食費の全てを真剣勝負で稼ぎ続けなければならないのです。

支払いもあります。期限内に決められただけの注文が取れなければ、死活問題なのです。独立するということは、曖昧な気持ちでビジネスに取り組む余裕は無くなるという意味なのです。

常に期限に追われる真剣勝負な人生を今のうちに味わっておくのは非常に良い訓練になりますし、実際にビジネスで成功するために必要な思考回路が身につくはずです。

ですから、しつこいようですが、必ず「期間中に十分な注文が集まらない場合はキャンセルする」と決めてショップ運営に取り組んで下さい!(そして実際にそのように行動して下さい。)

このことほどあなたを成功に近づける決断はないと思います。マジです。

それから、発注周期を決めたことで初めて見えてくることがあるのでお話しますね。例えば、何も決めずに、●●円分たまったら注文を出そう...とか、●●個分注文が来たら発注しよう...とやると、思考が止まってしまって、ただただ注文を待つ状態になります。

完全な受身です。思考停止です。

商売は受身では成功しません。よく町で商品を布の上に広げて、その横に黙って座っている人がいますが、あれでは売れません。偶然売れることはあっても、人生をその偶然にかける勇気はありませんよね。

主体性をもって、「いつまでに●●円稼ぐ...そのために自分は何をしなければならないのか...」と常に考え、常に行動し続けなければならないのです。

何かで読んだ話で、研究熱心なホームレスの話が載っていました。その男性は、お金を稼ぐ方法を研究して、例えば、同じ場所に3人のホームレスが立っている場合は、2人目の人が一番小銭をもらえる確率が高いとか、どんな格好をしているともらえる確立が高いのかなどを研究して、年間数万ドルを稼いでいるとのことでした。

変な例で恐縮ですが、曖昧に「お金が欲しい...」と考えているホームレスと異なり、そのホームレスの男性は、具体的に「今日中に●ドル稼ぐにはどうしたらいいのか」と考えたのだと思います。

そうすることで、ただ毎日同じ位置に座って小銭をせがんでも状況は変わらないことに気づき、行動が変わったのです。

私たちも同じです。「●日までに●円分の注文が来なかったら、お客さんには申し訳ないけれど、キャンセルさせていただこう...」、そう決めることで本当の意味で頭が回転し始めます。

繰り返しますが、商売を始めたら24時間365日、常に商売のことを考え続けなければなりません。常に頭を回転させ続けなければならないのです。どうしたらもっと売れるのかに真剣にならなければならないのです。その訓練をするための手段として、発注周期を決めて究極の選択をするのです。

「せっかく注文してくれたお客さんに申し訳ないから、
 赤字でも仕入れてあげたい...」

そう思う人もいると思います。それはそれでOKですよ。究極の選択でどちらを選ぶかはあなた次第ですからね。重要なのは、そこに至るプロセスでどこまで自分を追い込むことができるかです。

「お客さんに申し訳ない」という気持ちを、「絶対に期間内に●個の注文を集めて、利益を出すぞ」「もっともっと短期間にたくさん受注して、もっと早く発注できるようになる!」という行動に自分を仕向けるための力に変えるのです。

更に、「発注周期を決める」ことの重要性を理解していただくために、普通のショップのことを思い浮かべてみてください。

普通のショップは、商品を仕入れて商売をしていますよね。その場合、仕入れた瞬間から一定の期間で販売する必要があります。これは選択肢とかいう話ではなく、商品を仕入れるという作業そのものが、「入荷と同時に即効で売らなければならない!さもないと...」という条件と抱き合わせ、ワンセットなのです。

動かない(売れない)在庫は財産ではなく、負債です。

ちなみにDead Stock(デッドストック)という言葉がありますが、あれは「廃番/廃盤」という意味ではなく、死んだように動かなくなってしまった(売れない)在庫のことを言います。死んだ在庫。言い得て妙とはこのことです。

「売れる前に仕入れた商品」は、デッドストックにならないように、入荷と同時に売り切るためのレースが始まります。どんなに素晴らしい商品も、売れなければタダのゴミなのです。

デッドストックが増えすぎれば次回の仕入もままならなくなるし、生活費だって困ります...(T_T)。つまりです、「商品を仕入れる」という言葉は、「生活費をかけた真剣勝負」と同義語なのだ!(ちょっと大げさですが...)

一方、「取り寄せサービス」の場合は「生活費をかけた真剣勝負」などまったく必要ありません(^^♪発注周期内に一定数の注文が来なければ、注文をキャンセルしなければならなりません...でもね、デッドストックを抱えることはあり得ないんです。

たとえ赤字で仕入れて販売する手段を選んだとしても、やはりデッドストックは起こりようがないです。なぜなら、もう売れちゃったモノを仕入れるのですから、構造上デッドストックはあり得ないんです!

つまり、取り寄せマーケティングも「通常の仕入」も、売るために必要な努力は全く同じですが、一方はデッドストックを抱えるリスクが多大にあり、もう一方はそんなリスクも不安も全くないということです。

それだけじゃありません。取り寄せマーケティングには、もう1つ非常に大きなメリットまでついてくるんです!

それは、あなたが扱う商品に興味を持った人の「リスト」です。(リストという呼び名はあまり好きではありませんが、便宜上、お客さんのコンタクト情報を「リスト」と呼ぶことにします。)取り寄せマーケティングならデッドストックの恐怖もない上に、リスト収集のメリットまでついてくるのです!

リストに関しては非常に重要なので、今後の章で詳しく学んでいきますが、ここでは、取り寄せマーケティングならデッドストックの恐怖もない上に、リスト収集のメリットまでついてくると覚えておいて下さい。

そしてリストを増やすという面で言えば、【ステップ5】の究極の選択として、注文をキャンセルする代わりに、赤字覚悟で小売店(※卸売り問屋の小売部門など)から定価で仕入れるという方法も視野に入ってきます。

その時は利益がなくても、たとえ赤字であっても、顧客の生涯価値(お客さんが一生で店に費やしてくれる金額)を考えれば問題ない場合もあるからです。

利益が薄くても、赤字であっても、生涯価値が赤字額よりも多ければ元は取れるのです。そして取り寄せマーケティングで十分な数の顧客リストが集ったら、そこで初めて、少しずつ即納商品にもチャレンジして行けばいいでしょう。

【まとめ】

以上、取り寄せマーケティングの具体的なステップとその概念についてお話してきました。何度も繰り返してきましたが、取り寄せマーケティングには起業のリスクを最小限に抑えながら、実践でビジネスを学ぶことができるという、非常に有益なメリットがあることがお分かりいただけたと思います。

何も考えずに、単に取り寄せていれば儲かるのではなく、ちゃんとした下準備があってこそ最大のリターンが得られることもご理解いただけたことでしょう。取り寄せマーケティングのメリットを最大限に活かして、あなたも超速で成功への道を歩んでください!

続いて、次の章では、取り寄せマーケティングに関するQ&Aと、実際の運営に役立つテクニックをご紹介していきます。実践的な部分も多く出てきますが、ここはショップを既に運営しているつもりで、読み進めてくださいね。

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