拒絶は誰にとっても怖い。死ぬほど怖い。だから、拒絶されるくらいなら挑戦しない方がマシだ、と考える人がいたとしてももまったく不思議ではない。実際、店長さんの中にはそういう人がものすごく多い。悲しいことだ。
例えば、良かれと思ってお勧めしたクロスセルを断られる拒絶、死ぬ気で書き上げたメルマガで購読解除ボタンをクリックされる拒絶、やっとの思いで見つけてきた新商品に誰も振り向いてくれない拒絶。
それから、問い合わせに対して手取り足取り超丁寧にお返事したのにその後注文してくれない拒絶、丹精込めて荷造りをした商品が返品されてくる拒絶、勇気を振り絞って取引をお願いした業者から断られる拒絶。
あとは、寝食を忘れて準備したイベントがガン無視される拒絶、リサーチに時間をかけてやっと完成したブログ記事にコメントがまったくつかない拒絶、勇気を振り絞って撮影したYouTubeビデオの再生数が1ヵ月たってもまだひと桁の拒絶、などなど。
俺たちは日々拒絶に囲まれて仕事をしているのだけれど、いちいち拒絶されるたびに傷つき、意気消沈し、モチベーションを失くし、数週間から数ヵ月ものあいだ次の作業が手につかなくなる人がとても多いのだ。こんなもったいないことってある?!ねえよ。
だって、相手が拒絶するかしないかなんて、俺たちにはコントロール不可なんだぜ。俺たちにコントロールできるのは、その状況でベストを尽くすことのみ。そうだろう?そしてベストを尽くしたら、「そこから先は神の領域 by 三浦綾子」じゃないか。そう思わないか?
別の言い方をすると、この世には不特定多数の要素があり過ぎて、そして、人間がからんでいる場合は相手の都合や相手の状況が大きくものをいい過ぎて、俺たちがどんなに真っ赤になってがんばったところで結果だけは絶対に、死んでも、この世が終わっても、空が落ちて来ても、コントロールすることはできないんだよ。どんなに頑張って運動会の準備をしたところで、誰にも当日の天気はコントロールできないのと同じように。
だとしたら、ベストを尽くしたのであれば、もう結果なんてどうでもいいじゃないか。悪かろうが良かろうが、俺たちの知ったことではないはずだろう。だってコントロールできないのだから。天気に対して腹を立てたり過剰に悲しんだりする人間がいたら、あきれるよな。それと同じだ。
そしてそんな、俺たちにとって非常に重要だけれどすぐに忘れてしまいがちな常識を、脳みそに深く刻みつけてくれるのが、今日ご紹介するこの本「拒絶される恐怖を克服するための100日計画」である。
著者は、16才でアメリカに渡った中国人のジア・ジアンさん。長年の夢だった起業を果たすもうまくいかず、その大きな足かせになっていた「拒絶の恐怖」を克服するために、彼はある奇妙な実験をおこなうのだが、それが面白くて、危険で、アホで、ドキドキする内容なのだ。
どんな実験かって?!ずばり、拒絶されてもくじけない強さを育てるために、わざわざ確実に拒絶されることを、100日間連続で実行する実験だ。
いくつか例を挙げよう。
- Day 01:見知らぬ人に100ドル借りる
- Day 02:ファストフード・レストランでハンバーガーの「無料お代わり」をお願いする
- Day 36:ペットの美容院で自分の髪の毛を切ってもらう
- Day 47:見知らぬ人の車に給油させてもらう
- Day 57:エビを1/4だけ売ってもらう
- Day 61:見知らぬ人の家の庭に花を植えさせてもらう
- Day 69:ジュース専門店でフルーツを売ってもらう
- Day 71:カフェでWIFIのパスワードを変更してもらう
- Day 77:アップルストアで他社のパソコンを修理してもらう
- Day 79:午後のマクドナルドで朝食メニューを作ってもらう
- Day 92:飛行機を操縦させてもらう
- Day 95:書店で本を貸してもらう
アホな実験ばかりである。だがしかし、意外なことにこのアホなリクエストに対して「Yes」と答える人が非常に多くて驚かされるのだ。そして彼は、いったいなにがYesを引き出したのか、そして拒絶された場合でも、どうすれば次のチャレンジへのモチベーションを保つことができるのか、この実験から得たそのヒントや気づきを、この本で惜しみなく俺たちに教えてくれるのである。
勇気とやる気がむくむくと湧き出てくる本です。拒絶されるたびにスローダウンしてしまう店長さん、そして拒絶が怖くて最近動けなくなってしまっている店長さんに超お勧めです。ぜひ今すぐ手に取ってください。
応援してます!
清水